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2011年7月11日 (月)

ベッジ・パードン

シス・カンパニー公演
ベッジ・パードン

作・演出 三谷幸喜
夏目金之助           野村萬斎
アニー・ペリン(ベッジ)    深津絵里
畑中惣太郎(ソータロー)    大泉洋
グリムズビー(アニーの弟)   浦井健治
ハロルド・ブレッド他、全11役 浅野和之

 作家になる前の夏目漱石(金之助)がロンドン留学中の話。
 英語が通じないとか、差別的な扱いを受けたりとか、海外に行った日本人にありがちな悩みを抱えつつ、神経症的に病んで行く金之助と、その存在が支えとなっていくベッジ。
 ラブストーリーと言えばそうなのかもしれないし、笑う所もたくさんあったけど、見た後に何やらほろ苦いものが残りました。

 以下ネタバレあり、未見の方はご注意を。

 

 金之助は、英語が堪能なソータローが側にいたり、下宿先の主人や先生が相手だと、英語が上手く出て来なくてぎこちない喋り方になってしまうけど、使用人のアニーが相手だと、緊張する事なく話す事が出来る。物語の序盤でアニーにその事を指摘され、それは「あたいを下に見ているからさ」と喝破される場面はかなりドキッとさせられるのだけど、そのショックが、鈍い痛みとなって最後幕が下りてもずーーっと底辺に残ってる感じなのです。
 金之助がアニーに寄せた愛情は、イギリス人やソータローに対して彼が感じているコンプレックスの裏返しでしかなく、その事に彼自身、薄々気付いているのではないかと…だからこそ後に、罪悪感に苛まれるのではないかと思うのですよね…。
 彼自身、「イギリス人が皆同じ顔に見える」位に神経が参っていて…
 (…浅野さんが1人で11役を演じたのにはこういう訳があったのです。金之助が「皆同じ顔に見える…!!」と嘆くシーンは、観客がその仕掛けに気付いて大爆笑する所なのですが、笑いながらも何だか空恐ろしい感じがするのですよね…)
 金之助はそもそも自分の事で精一杯で、イギリスの階級社会の中で底辺にいるアニーに、自分を重ねて救いを得た。でも最後、アニーを救う事は出来なかった訳で。アニーに対する気持ちにウソはなかったけど、最後はやっぱり、日本にいる奥さんと子どもの方が、どうしようもなく大事だった訳で…。
 あーーー、そう考えると途端に何か、ムナクソ悪くなって来るのですよね、うん。

 まあでも、アニーも別に、自分に嘘ついてた訳じゃなく。本当に金之助が好きだったろうし、でも日本にはついて行けないと悟ったのだろうし(…物は知らなくても馬鹿じゃない、訳で)、弟のことも本当に可愛かったのだろうし。金之助と弟、2人の大事な人のために選んだ道を、決して後悔はしなかっただろうなという気はします。

 弟・グリムズビー…最初は「アニーの兄を名乗る男」という設定だったのに、浦井君に会った三谷さん、「ものすごく仲のいい実弟」に変えてしまった…さすがです…。
 ツイッター上でフォロワーさんの一人が「無意識の残酷さ」と評していたのですが、正にその通り。彼に悪気はなく、純粋な好意と願いしかない…それ故に、周りの人間は、好むと好まざるに関わらず、彼のために動かざるを得ない…で、本人はその事に気付いてないという、無自覚っぷり。

 …あー、もう少し書きたい事があるけど、今日はここまでー。
 明日以降、続きをアップしたいです。

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